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日本の男女格差が大きいのは女性にも問題がある

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ドイツでは女性首相のメルケルが既に16年間首相を務めることが決まってるが、日本ではまだ女性首相はおらず、今は都知事の小池百合子が「希望の党」を作って選挙を戦った時も上手くいかなかった。

 

 

世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数2021」によると、日本は世界約170か国中の120位であり、G7に参加する先進国の中では最下位というニュースが日本では大きく報道されている。これに対して、僕が詳しいドイツは11位である。ドイツは特に女性のアンゲラ・メルケル首相が今年末まで首相職を続けることが決まっているので、メルケル首相は16年間続くことになる。西ドイツ時代を含めて16年も首相を務めたのはコール首相とメルケル首相だけである。写真上はメルケル首相。

 

一方の日本は、数年前に小池百合子現東京都知事が首相に就任するのではないかと言われた時期もあったが、小池氏が2017年に「希望の党」を結成したが、総選挙で伸び悩んで事実上は敗北したので、結局は小池氏は「都民ファーストの会」の代表として東京都政に専念することになった。写真下は小池百合子東京都知事。

 

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一方で日本の女性の中には、「男女平等なんて無理。男性に難しい仕事をしてもらい、女性は女性向きの楽な仕事をすればいい」という考えの人もいる。でも、このような考えの女性のことを80歳の僕の母は、「人生に対する考えが甘すぎる」と言って切り捨てた。

 

 

ところで、日本は男女格差が大きい社会と言われている中で、僕は若い20代から中年の40代の女性たちに、この男女格差問題を質問してみたことがあった。数人の女性からはこのような回答が返ってきた。

「日本が男女不平等という社会なら、私としてはそれを利用して男の人たちに難しくて複雑な政治経済などの仕事をしてもらって、女性は女性に向いている医療とか家庭などの仕事をすればよいと思う。少なくも、私には難しくて複雑な政治経済問題はよくわからないから、政治家に立候補したり企業の重役になったりするつもりはない」

 

それで、僕は今は母が80歳と高齢であり、しかも僕の住む宮城県仙台市は2011年3月の東日本大震災以後は不安な日々が続いているので、数年前から亡くなった父が建てた実家に母と同居しているのだが、母に上に書いたような女性たちの意見をいうと、母は珍しく厳しい顔をして、

「考えが甘すぎる。男女不平等なら男性だけに難しい分野の仕事をさせて、女性は比較的楽な仕事をするなんて、男性に迷惑をかけすぎだ。そんな考えなら、日本の国会議員から市議会議員までの政治家に汚職などのスキャンダルがあっても、文句と批判を言う権利はない。女性も政治経済に興味を持って、この国を男性と一緒に良くしようという考えで生活しないと、専業主婦の仕事すら務まらないだろう。そういう難しいことはやらないという考えは、女の人生をなめていから私は嫌いだ」

と言った。この母の意見には僕はかなりびっくりした。母は昭和13年生まれで2歳年上の父が1999年に61歳で胃がんで亡くなるまでは、あまり父のやり方には不満を言ったり文句を言ったりして、父とはあまり喧嘩をしない性格だったからである。

 

 

母が「女性向きの楽な仕事をすればいい」と言ってる女性を批判したのは、母は大手銀行員の妻として全国を引っ越して生活しながら父の仕事を助けて、3人の子供を育てた経験があるから。楽な人生を送りたいという考えでは、専業主婦も務まらないと母は言っている。

 

 

しかし、昔の我が家のことを振り返ってみると、僕の両親というのは去年に亡くなった野村克也監督と沙知代夫人のような関係であり、父は母と一緒に行動をすることはあまりなかったが、父は基本的には母がいないと仕事に専念する生活ができない性格だった。だから、父と母は喧嘩した時も最後は父の方が折れて、母の意見が通ることが多かったと思う。

 

僕の母が「男にだけ難しい仕事をさせて、女は楽な仕事をするという考えでは、そんな女は専業主婦として子育ても、家計のやりくりも上手くできない」と厳しく批判したのは、母は父と20代半ばで結婚して30歳までに子供を3人産んで、父と共に子供たち3人を育てる生活を送ってきた経験と自信があるからだろう。

 

 

母は東北大学を卒業して政府系銀行である農林中央金庫に勤務していた父と24歳の時に結婚して、以後はしばらくは専業主婦をしていた。母も仙台市内の公立進学校卒で東北大学に入学できるほどの学力はあったが、実家の家計があまり裕福でなかったので、大学は断念して大手銀行の行員になり、同じ銀行員だった父と結婚をしたのだった。結婚後は父は銀行員で転勤が多かったから、四国の松山市に4年、名古屋に4年、東京に2年半、広島に2年半、大阪(正確には大阪のベッドタウンの西宮)に1年ちょっとというふうに父の転勤に伴って家族は引っ越して、次男である僕が中学校に入学する時に、両親の故郷の仙台に父はマイホームを建てて、それ以来は仙台に住んでる。母にはこのように、全国を引っ越しながら大手銀行員だった父の出世を助けて、子供3人を育てた経験があるから「男性だけに難しい仕事をさせて、女性は楽をして生活しようという考えは甘い。女の人生をなめてる」と言えるのだろう。

 

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EUのトップである欧州委員長を務めるドイツ人女性政治家のウルズラ・フォン・デア・ライエンは、7人の子供を産んで育てながら政治家として成功したキャリアを送っている。日本では産休と育児休暇に入った女性は元の職場に戻ることが難しいので、彼女のようなキャリアを送れる女性は少ない。

 

 

ただし、日本の一部の女性が甘い考えで生きてるということの一方で、女性のキャリア設計を妨げている日本の組織にも問題がある。写真上は現在EUのトップである欧州委員長を務めるウルズラ・フォン・デア・ライエン氏であるが、彼女はメルケル内閣の国防大臣という需要なポストを6年間務めた後に、2019年に欧州委員長に指名された。彼女は一方で7人もの子供を夫との間にもうけているが、彼女の大成功をしているキャリアには何の影響も与えていない。

 

ウルズラは1987年から1999年までの間に7人の子供を産んでおり、当然、出産に伴う育児休暇も合計で10年ほどはあったはずだが、この育児休暇もウルズラのキャリア形成には悪影響を与えていないのだ。日本では絶対にあり得ないことだろう。日本の成功したキャリアの女性政治家というと、小池都知事、社民党の福嶋瑞穂、立憲民主党の辻元清美などが重い浮かぶが、彼女らはいずれも結婚しておらず子供もいない。やはり、結婚をして育児休暇でキャリアに空白期間が空くことを恐れていると思える。

 

このように、日本とドイツの女性のキャリア形成の違いを見ると、女性はどうしても結婚して出産という時期が20代後半から30代前半にあるので、育児休暇に入ると同時にせっかく上手くいっていたキャリアが終わってしまうという制度ではダメだろう。育児休暇が終わると同時にまた同じ部署に戻れるという制度が必要であり、こういう制度があれば、日本の社会での男女格差も絶対に解消に向かうだろう。