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ベルリンのペンションで会ったブリジット・バルドー

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ドイツのベルリン南部にある小さなホテルに泊まったら、そこの女性オーナーは若い頃のブリジット・バルドー(愛称BB)のように美しい女性だった。彼女は英語でいうと”ノックアウト”(男をKOする女性)だった。

 

今回は再び、ドイツの旅行先で出会った親切な人について書こうと思います。とても美しくて優しいドイツ人女性とドイツ語で会話ができて、楽しい思い出となったことです。


2006年7月にドイツのベルリンに旅行に行って、ベルリン郊外のブッカケチャウゼーに発音がよく似ている、ブッコヴァーシャウスゼー(ブッコヴァー通り)にあるガストホフ(1階に宿泊客用のレストランがある、小さなホテル)に泊まった時のこと。60才位のおばさんが応対してくれてチェックインしたのだった。そのガストホフの名前は「ホテル・ペンション・ツア・ポスト」と言った。直訳すると、「郵便局に面しているペンション」という意味だが、実際、本当に郵便局の隣にあった。
 
 
「ここは、家族経営のガストホフらしいが、あのおばさんが1人だけで管理しているということは、まず、ないだろう。他にも従業員がいるのだろうが、若い未婚のフロイライン(女性)だったら、嬉しいな。ひょっとしたら、何かいいことがあるかもしれない」
などと、独身男の当然の幻想を抱きつつ、一晩過ごして、次の日の朝、朝食を食べるために1階に降りて行ったのだった。
 
すると、1階には昨日のおばさん以外に2人の若い女性がいた。その内の1人のフロイラインは、金髪の髪を70年代風にアップにして上で束ねた髪型で、右足の裏にはバラのタトゥーが描かれている、ものすごく綺麗で気の強そうな女性だった。英語の俗語でいうと、「ノックアウト」(全ての男を簡単にKOして、虜にしてしまうような女性)だった。往年のフランスの大女優、ブリジット・バルドーに顔がよく似ていたので、朝食を食べ終わって自分の部屋に入ると僕は思わず、
「あの女性、ベベ(ブリジット・バルドーの姓と名前のイニシャルがB・Bなので、彼女は“ベベ”と呼ばれていた)のみたいだな」
と言って、嬉しそうに笑ったのだった。(笑)写真上が若い頃のブリジット・バルドー。
 
とても、残念だったのは、ベベは5才位の子供を抱っこしており、既に子供のいる人妻なのだった。もう1人の女性のことはよく覚えていない。きれいな人だったと思うが、恐らく学生のアルバイトだったようで、1階のレストランにいる日もあればいない日もあり、それに、あまり事務室から出てこなかったので。
 
 

洗濯物がたまったので洗濯物を洗ってもらうことをホテルに頼むと、BBは微笑んで「うちの洗濯機でタダで洗ってあげるわ」と言った。洗濯物をタダで洗ってもらえるのがどれだけありがたいかは、一人旅をした人ならよくわかるだろう。


その小さなホテルに泊まって2日目の時に、ベベとドイツ語で会話をしなければならなくなった。独り旅、あるいは出張をよくしている人ならわかるだろうが、汚れた洗濯物が溜まったので、どうしても、コインランドリーかクリーニング屋に行かなければならなくなったのだった。
 
汚れた洗濯物をビニール袋に詰めて、ホテルの小さな事務所に行くと、ベベが輪ゴムで伝票を束ねていた。
[Entschuldigung, aber ich moechte meine Schmutzige Waeschen gewaschen werden. Wo ist Coinlandry oder Reinigung?]
「すみません、僕は汚れた洗濯物を洗ってもらいたいのですが。コインランドリーかクリーニング屋はどこですか?」
と僕はベベに聞いたのだった。ベベはイスから立ち上がり、ニコリと笑って輪ゴムをパチン、パチンと鳴らしながら、
「ここの近くには、コインランドリーもクリーニング屋もないわ。ウチの洗濯機で洗ってあげるわよ」
と答えた。
「そうですか、それは、ありがとうございます。それで、洗濯の代金はいくらでしょうか?」
と僕が聞くとベベはニコリと笑いながら、
「タダよ。タダで洗ってあげるわ」
と答えた。
「エッ、タダですか?本当にタダで洗ってくれるんですか?」
と僕がびっくりして聞き返すと、ベベは笑いながら頷いたのだった。
 
宿泊客の洗濯物をタダで洗ってくれるホテルというのが、ほとんどないということは、旅行をしたことのある人ならすぐにわかるだろう。1度はホテルに泊まったことのある人なら、ホテルのルームサービスに「クリーニング・サービス」という項目があり、「Yシャツ1枚・200円」、「下着類1枚・50円」などと書いてあるのを、見たことがあるだろう。僕もドイツの他のホテルに泊まった時には、Tシャツ2枚、ズボン1枚、下着とハンカチを、少々、洗濯してもらったら、日本円で1,000円近く払ったことがあった。だから、ベベの言ったことは独り旅の客にとっては、本当にありがたいことであり、僕は何度も彼女に、
[Danke schoen](ありがとうございます)
と言ったのだった。
 
 

 

洗濯物を頼んだ翌日にレストランで朝食を食べていると、ベベの息子が僕の机の前に立ち、ニコニコ笑ってずーっと僕の顔を見ていたのだった。こういうことは、ヨーロッパではよくあることだ。向こうの子供からすると、日本人が本当に珍しいのだろう
 [Was? Was willst du mit mir machen](何だ?オレと何がしたいんだ?)
などと子供に話しかけていると、ベベが事務所から出てきて、笑みを浮かべながら、子供を抱っこして連れて行ったのだった。
 
 

朝食を食べ終わった後で、ベルリンの中心部に行くために、支度をしてホテルを出ようとした。そこのホテルは入り口が大通りには向いてなく、一度中庭に階段で降りてから、方向転換して大通りに出るようになっていた。玄関から階段を降りて進路を変えようとした時に、ベベの子供が階段の脇で砂遊びをしていたので、危うく踏んづけそうになった。
[Achtung, vorsicht,vorsicht](危ないよ、ちょっと気をつけなよ)
などと言って子供の横を通ると、ベベが玄関から不安そうな顔をして顔を出した。そして、子供が階段の脇にいるのを見つけると、ドイツ語で子供に何かを言った。さらに、ベベは僕と目が合うと、
[Tschuess!](いってらっしゃい!)
とニコリと笑って言ったのだった。写真下がドイツのベルリンなどの都会にある、典型的なガストホフの建物。

 

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「『宝くじが当たって2億円もらえるのと、小さなホテルのオーナーのBBと結婚できるのとどちらを選ぶか?』と問われたら、迷わずにBBと結婚する方を選ぶ」と今でも思うことがある。それほどに美しくて優しい女性だった。

 

 
まあ、これが、僕とベルリンのブリジット・バルドーとのお話しだが、そのホテルを離れた後、今でも、
「あんなにノックアウトなほどきれいでセクシーで、しかも、優しい女性と結婚できた男がいるんだな。しかも、子供もいるということは、何回も愛し合ったのだろう。旦那さんが本当にうらやましいな」と思った。さらに、
「『宝くじが当たって2億円くれるのと、あのベベと結婚して一緒に生活するのと、どちらを選ぶか?』
と問われたら、迷わずにベベと生活する方を選ぶ。もちろん、両方、いっぺんに手に入るのが、一番幸せだけど」
などと思うことがあるのである。(笑)

でも、こういうふうに考えることもある。
「しかし、あのホテルは家族経営みたいだったから、ベベはお母さんと思われる女性と一緒に働いていたな。あの美しいベべが、数十年後には、あのお母さんのようにシワだらけになってしまうのか。そう考えると、本当に若い頃きれいな女性は可哀相だな」
とも、思うのである。事実、ブリジット・バルドーも、今では、魔法使いのおばあさんみたいになってしまっている。(苦笑)