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ドイツの戦車博物館で見たドイツ軍の勲章など

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この博物館の貴重な展示物は、本物のプール・ル・メリット勲章、ロンメルとグデーリアンの軍服などである。

 

 

このブログ記事では、ドイツ北部のムンスターという町にある戦車博物館に展示されていた、ドイツ第二帝国、ナチスドイツ軍の勲章、軍服などについて紹介をする。ここは公式には「ムンスター戦車博物館」と呼ばれている。写真上は1871年にドイツ第二帝国が成立した時から授与が開始されて、軍人の最高の勲章と言われた「プール・ル。メリット勲章」である。この勲章を授与されたドイツ軍人は第一次大戦の時のロンメル、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンなど、数名しかいない。ヒトラーもロンメルに初めて会った時に、この勲章を付けていたので大いに驚いたという。

 

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上の2枚の写真はとても貴重なもので、恐らく世界中でもこの博物館でしか見られないだろう。上がロンメル元帥が北アフリカで着用していた軍服であり、下は「電撃戦の父」といわれるグデーリアン上級大将が佐官時代に着用していた軍服である。2着ともロンメルとグデーリアンの遺族が戦車博物館での展示のために寄贈したものである。

 

クルーゲ元帥の元帥杖、エーバーバッハの軍服なども、ドイツ現代史に興味がある人にとっては一見の価値がある。

 

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写真上はフォン・クルーゲ元帥の元帥杖であり、下はノルマンディの戦いの時に西方装甲軍司令官だったエーバーバッハ大将の軍服である。ロンメル、グデーリアン、フォン・クルーゲ、エーバーバッハと紹介しれくればわかるように、ドイツの軍事博物館でドイツ連邦政府から展示が許可されているのは、ナチス党員ではなかった将軍、ロンメルとフォン・クルーゲなどのように反ヒトラーグループに参加していた将軍の勲章と軍服だけである。どんなに優秀な将軍であっても、フォン・ライヘナウ、モーデル、カイテル、ヨードルのようなナチス党員でヒトラー、ゲッベルスなどのナチス幹部と仲が良かった将軍の遺品は展示が許されていない。ネオナチなどの人種差別主義者が集まるのを、政府が警戒しているからである。

 

しかし、さらに、ムンスター戦車博物館のガイドブックには、「ロンメルもグデーリアンも最終的には間違った政府のために働くという大失敗をしてしまった。これは時を越えて常に人間に問われる大問題であり、自分が本当に正しいことのために仕事をしているのかを判断するのは、とても難しいことである」という説明文が書かれている。

 

ムンスター戦車博物館にある展示物は、ドイツ連邦軍傘下にある戦車学校用教材の展示品という扱いなので、ナチスドイツ時代の遺物の展示には厳しいドイツ政府も、特別にハーケンクロイツ付きの勲章と軍服の展示を許可している。

 

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上の2枚の写真のうち、上の写真はナチスドイツ軍の勲章であり、下はドイツ国防軍の軍服類である。普通はドイツの全ての博物館ではハーケンクロイツ(逆の卍)が付いた勲章、軍服の展示は禁止されているが、ムンスター戦車博物館はドイツ連邦軍が運営しているドイツ戦車学校付属の教材用展示品という扱いなので、第一世界大戦から第二次世界大戦を経て現在に至るまでの戦車の歴史の教育をするために、特別に展示が許されている。だが、ハーケンクロイツは許されても、武装と一般親衛隊はドイツ政府によって「戦争犯罪組織」と扱われているので、これらの関係品は展示が許されてない。

 

だが、武装親衛隊の師団マークだけは展示されていた。僕は戦車博物館で話をした元ドイツ兵のおじいさんに、「ライプシュタンダルテ・SS・アドルフヒトラー」から「ヒトラーユーゲント」までの武装SSの機甲師団の名前を正確に言うと、おじいさんは大いに喜んでいた。また、他のドイツ連邦軍の将校の人は、「残念ながら武装親衛隊の軍服をドイツ国内で着ること、博物館で展示することは禁止されている」と言って苦笑いをしていた。やはり、どうも親衛隊の扱いについてはドイツ国内でも不満はがあるようである。

 

ムンスター戦車博物館の位置だが、ブレーメンの東、ハンブルクの南に広がるリューネブルガー草原の真ん中にある。一番行きやすいアクセスは、電車ならブレーメンに宿をとって朝8時台のローカル線に乗るか、車で行くならハンブルクかブレーメンに宿をとってレンタカーで行くのが良いだろう。博物館に車を止めることはできる。

 

こんな辺鄙な位置にあるのは、この場所は元はと言うと、ナチスドイツ軍の戦車学校があった場所であり、その戦車学校の教官たちで1944年初めに編成されたのが、ドイツ軍機甲部隊の中で最高のエリート部隊と言われた「機甲教導師団」である。それで、その伝統を受け継いで今でもドイツ連邦軍の戦車学校がある。