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【疑問】ドイツには学校の部活がないって本当?(2)

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ドイツのスポーツは全ての種目がDSB(ドイツスポーツ連盟)の監督下にあり、DSBの指導に従わないといけない。日本にもスポーツ庁が2015年に設立されてほとんどのスポーツ種目は監督下にあるが、野球界だけは「野球には独特の歴史がある」と言って反抗している。



前のブログ記事にも書いたことだが、日本の野球界は必ずスポンサー名が全面に出てくるから良くない。高校野球は朝日新聞と毎日新聞が大スポンサーであり、プロ野球は読売新聞が大スポンサーというのは、野球ファンなら誰もが知ってることである。これとは対照的に「野球界のように一部のスポンサーにお金が集まらないように、ヨーロッパ型の科学的な合理的な組織を作ろう」という掛け声で作られたのが、JFA(日本サッカー協会)を頂点として組織されたプロのJリーグとその下部組織のユース、ジュニアチームである。

 

写真上はドイツの首都ベルリンにあるオリンピックスタジアム。1936年のナチスドイツ政権下のオリンピックが開かれた競技場で、今はブンデスリーガのヘルタベルリンの本拠地となっている。2006年ドイツサッカーW杯の決勝はここで行われて、ドイツカップ(日本でいうと天皇杯)の決勝は毎年ここで行われる。いわば、ドイツサッカーの”聖地”のようなスタジアムだが、日本の甲子園球場ほどの”聖地”扱いはされてない。

ちなみに、Jリーグが発足した時にお手本としたのは、ドイツのブンデスリーガである。ドイツブンデスリーガはDFB(ドイツサッカー連盟)の下部組織であり、そのDFBの上にはDSB(ドイツスポーツ連盟)というドイツの全ての組織を監督する連盟がある。 ここで、ドイツ軍に詳しい人間らしきことを書くが、2006年までDSBの最高責任者だったのはマンフレート・フォン・リヒトホーフェン氏であり、氏は「レッドバロン」と呼ばれた第一次世界大戦の撃墜王であるマンフレート・フォン・リヒトホーフェン大尉の甥である。「フォン・リヒトホーフェン一族というのは優秀な人が多いので、今でもドイツ社会でかなりの力を持っている」と、ドイツに語学留学した時にホームステイをしたH家の主人が教えてくれた。


話を日本の野球に戻すと、今は日本政府の中にはスポーツ庁という省庁があり、ソウル五輪の競泳で金メダルを取った鈴木大地が長官をしている。そしてサッカーを始めとする他のスポーツ競技は全てがスポーツ庁の監督下に入っているのだが、僕が知る限りでは野球だけは「野球界は独自の発展を歩んできたので」ということで、一応、スポーツ庁の監督下に入っているものの、ほとんどスポーツ庁の指導には従っていない。

鈴木大地長官が「いつも真夏の甲子園で高校野球をするのは、球児、観客の中に熱中症で倒れる人が出る危険性があるので、見直したらどうか?」とアドバイスをしても、高野連と朝日新聞は「大正時代から続いてる伝統だから、今更変えられない」など反論をして言うことを聞かない。プロ野球開も読売新聞だけが力を持ってることにスポーツ庁は注意をしているが、こちらも、「日本初のプロ野球チームである東京巨人軍を作ったのが、読売新聞という伝統があるから」と反論をして言うことを聞かない。こんなことでは野球界が人気がなくなって、子供たちの野球離れが進むのは当たり前のことだ。ドイツの場合にブンデスリーガのチームがDSB(ドイツスポーツ連盟)の指導に従わない場合は、そのチームはプロチームとしてのライセンスをはく奪されるなどの、すごく厳しい罰則を受けることになる。

 

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「汚れなき白球」などと朝日新聞は高校野球の良い点だけを宣伝していたが、実際は昭和時代から平成時代初期の硬式野球部は体罰といじめの温床だったが、それを監督と教師も改善せずに誰も報道せずに隠蔽していた。

 


さらに、高校野球のイメージを悪くしたのがネットの普及で高校野球という部活動は悪質な体罰といじめの温床になっている、ということがバレてしまったことだ。かつてロッテと中日でプレイをした愛甲猛は自分の書いた暴露本の中で、「酒、タバコ、バイクでの暴走、女という不良のやることは横浜高校卒業までに全部やった。でも、マスコミはそういうことは書かずに、俺を横浜高校のエースで4番の選手ということだけを書いた」と暴露している。写真上は愛甲の高校時代、プロ入りまでを暴露した著書の「球界の野良犬」。横浜高校時代のしごきについては、愛甲のウィキペディアから引用。

 

ja.wikipedia.org



当時の横浜高校野球部内でのイジメ、シゴキについて「他の学校は知らないけど、自分の時代は、1年生はゴミ、2年生は人間、3年生は神様だから[1]。周りには3年生から『コーラ買って来い』と言われ、平仮名で『せんえん』って書かれた紙キレを握りしめて買いに行ったヤツもいた。砂利の上に正座させられての説教なんて日常茶飯事。自分が入学する前の出来事だと、コーラの王冠を後輩の頭の上に乗せて、王冠目がけてシューズでパッカーンと殴る先輩もいた」と語る。 当時の野球部のモットーは『根性とハッタリでは負けるな』。遠征試合の時は全員が“ドカン”っていう太いズボンをはいて行く。試合前の挨拶で両校が整列する時は『相手よりあとに集合して、相手が引き揚げるまで帰ってくるな。相手からは絶対に目を離すな』と言われていた[1]。 余りの練習の辛さにバーベルを自らの足に落とし骨折させ練習を休む者、2階から飛び降りて両足を折り、練習を休もうとする人など、故意に怪我をする人間が多発したという。

(中略)

 

1980年春(夏の間違いだと思う)の甲子園での優勝後は、「優勝パレードの翌日にスナックで酒を飲んでたら、知り合いの社長が来て、一緒に堀之内ソープランドに行った。あの時は待合室にお姉さんたちが集まって、サイン会になった」という[1]。優勝後は学校内での扱いもそれまでとは一変し、「学校内での授業中に別室に呼び出されてお茶お菓子を出されて、色紙にサインを書かされ、なんならタバコも吸うかと言われた」という状況も味わったという。



それで、「汚れなき白球」などと朝日新聞は美談を書いてるが、愛甲の暴露話を聞くと高校野球は暴力といじめの温床で、真黒な野球大会じゃないか?ところが、なぜかこういう高校野球での暴力行為は30年ほど前は全く報道されなかった。こんな暴力野球大会で本当に感動できるのかをよくよく考え直してもらいたい。

 

 

ドイツを始めとしてヨーロッパでは学校の部活はないので、将来サッカー選手になりたい高校生はプロチームのユースチームに入る。そして、ユースチームはまだ育成段階なので、勝敗を気にせずに伸び伸びとプレイさせている。

 

ヨーロッパのサッカー大会で、「ヨーロッパ高校選手権大会」というものはない。代わりに、「U19(19歳以下)ヨーロッパ選手権」「U17(17歳以下)ヨーロッパ選手権」という大会がある。僕がかつて書いたブログ記事に「疑問・ドイツには学校の部活が無いって本当?」という記事があるが、ドイツを始めヨーロッパでは学校の部活はなくて、プロ選手を目指すスポーツ活動は地元のスポーツクラブで行う。だから、日本の学校のような「〇〇高校サッカー部」というのはなくて、バイエルンミュンヘンユースチームなどでプロのコーチの指導の下にサッカーをプレイする。日本の場合は一度ある高校の部活に参加したら卒業するまでその高校の部活に所属しないといけない。一方、ドイツの場合は1年生であまり強くないユースチームに所属していても、努力をして良い結果を残せば3年生ではバイエルンミュンヘン、ボルシアドルトムントのような強豪チームのユースチームに移籍することもできて、さらに高校卒業以前にプロ契約を結ぶこともできる。アルゼンチン代表のメッシなどは、既に17歳でバルセロナとプロ契約を結んでいる。

 

こちらが僕が書いた「疑問・ドイツには学校の部活が無いって本当?」という記事。

 

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ヨーロッパのサッカーユースチームの選手で、横浜高校時代の愛甲のような不良生徒がいるのかはよくわからないが、基本的にヨーロッパではプロ契約するまでは育成の時期なので、日本の高校野球のように勝敗にはあまりこだわらずに伸び伸びとプレイさせてるらしい。だから、高校生の選手もあまりストレスを感じずにプレイ出来ているのだろう。ドイツを始めとしてヨーロッパでは、ユースチームという育成の時期にはあまりマスコミが注目しないらしい。ドイツに1年住んだけど、「U17のドイツ大会で××ユースチームがドイツ王者になった」というニュースは聞いたことがないし、ユースチームの試合がテレビ中継されているのも見たことがない。

 

要するに、高校生という育成の段階からすごく勝敗にこだわって、厳しい指導をする日本の高校野球が異常な大会なのだろう。もちろん、これには特に私立高校の場合は学校の知名度を上げるというビジネスが絡んでいるからそうなるのだろう。