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2007年7月のポーランド旅行の感想

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ポーランドは日本とドイツとは正反対で、多くの兵士と市民の犠牲の上に1991年末のソ連崩壊後にやっと自由と独立を勝ち取ったので、愛国心が強い人が多い。今のポーランド政府も国粋主義の政府である。

 

 

2007年7月にポーランドに旅行に行きました。ポーランドでは、ポズナニ、シュチェチン、グダンスク、ヴォルフスシャンツェ(ヒトラーの総統大本営があった場所)、ワルシャワを見てきました。それで、ポーランドの印象を書きます。

 

写真上はワルシャワの文化大宮殿で、ワルシャワの駅前に建っている。これは、ポーランド国民全員が嫌っていて、明日にでも爆破したい建物。理由は、スターリン時代にスターリンからの贈り物としてワルシャワ駅前に強制的に建てられたからであり、この建物の中身はほとんどがガラガラで、市民はこの建物を有効に活用するつもりがないという。


ポーランドは、日本、ドイツのように軍国主義の下で市民が酷い目にあった国とは全く逆で、18世紀末、ナポレオン戦争の後、第二次大戦時のという3回の分割の後、ようやく1946年に独立を手に入れたという苦難の歴史を歩んだ国であることは、現代史に詳しい人ならよく知っていると思う。しかし、1946年の独立もポーランド人が望んでいた体制ではなくて、スターリン共産主義下という制限されたものであり、真の自由な独立国になれたのは1990年頃なのである。市民が一丸となって、反ナチス、反ソ連政府動を展開して、苦難の末に自由な国になれた。だから、ポーランド国民はみんな愛国心が強いという感じがした。今のポーランド政権もリベラルな西ヨーロッパ諸国とは違い、アラブ、アフリカからの移民を制限しているという、かなりの国粋主義の右翼政権である。

みやげ物屋でも第二次大戦時のポーランド軍の制帽、ワルシャワ蜂起の写真集などが売られていた。レフ・ワレサ氏が、グダンスクの造船所社長だった時に、ソ連、ポーランド共産政府の弾圧を受けながらも、遂には自由社会を勝ちとった苦難の歴史を知っている人もいるだろう。ワレサは1990年の自由選挙で、自由ポーランドの初代大統領に選ばれた。

だから、ポーランドには「国旗の日」という国が定めた記念日があり、その時は国民みんながポーランド国旗を売店で買い、国旗に敬意を払わない非国民は誰もいない。さらに、ポーランドでは誰かが国歌を歌いだすと周りの人も歌い出すというほど愛国心が強い。

 

写真下は「無名戦士の記念碑」。
1990年に自由社会を勝ちとるまでに犠牲となったポーランド兵、市民が祀られていて、2人の衛兵が常にガードしており、1時間ごとに衛兵の交代セレモニーがある。衛兵たちはナチスドイツ軍の兵士みたいに、グースステップで行進してきて交代をする。ナチスドイツ軍は否定されているがグースステップはカッコいいので、今でも多くの衛兵交代式で行われている。こんなことを日本、ドイツでやるとすぐに韓国人、中国人、ユダヤ人が抗議するだろうが、ポーランドは第二次世界大戦の戦勝国で苦難の末に自由を勝ち取ったので誰も抗議しない。休日になると特にたくさんの女学生が軍服姿で行進する兵士を見て、キャアキャア黄色い声をあげて、「兵隊さんはとてもカッコいい」とか言っている。

 

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動画はワルシャワの「無名戦士記念碑」の衛兵の交代の儀式。僕もワルシャワを訪れた時にこの儀式を見たことがあり、動画に映っているように儀式の際には多くの観光客が動画を撮影している。

 

youtu.be

 

「ナチスドイツ時代にポーランドはひどい目にあったけど、戦後にドイツ政府は謝罪をして、ポーランド経済に貢献しているからドイツはあまり恨んでない。でも、ソ連共産主義時代に散々ひどいことをしたのに、今までにロシア政府は謝罪をしないし、何も補償もしてくれない。ポーランド人はドイツよりもロシアを嫌っている。」と僕のポーランド人彼女は言っていた。

 

 

一部のヨーロッパ現代史に興味のある人たちは、「日本にとっては韓国がしつこく植民地時代の賠償請求をしているように、ポーランドはドイツにしつこく第二時大戦時代の賠償請求をしている」と理解している。確かにそういう事実はあるが、ポーランド人が本当に嫌っているのは共産主義国の親玉だった旧ソ連であり、ソ連の後に成立したロシア政府にソ連共産主義時代の謝罪と賠償を要求している。僕のポーランド人の彼女も、

「ドイツ政府はちゃんと謝罪をしたし、ポーランドの経済発展に大きく貢献してくれたけど、旧ソ連を受け継ぐロシア政府は謝罪も賠償も何もしてくれない。ソ連共産主義支配の時代にソ連の言いなりだったポーランド共産党政府は、ポーランドのキリスト教カトリック教会を否定して、ポーランドの伝統的なキリスト教文化はかなり破壊された。でも、ソ連を受け継いだロシアは何も補償をしてくれない」

と言って、ロシアへの怒りをあらわにしていた。

 

最後に、奇妙なことにはポーランド国歌のメロディというのは、セルビア国歌と全く一緒である。両国ともスラブ民族ということを誇っているから、同じメロディーなのだという。