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初めて見た映画「史上最大の作戦」

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僕の人生に最も大きな影響を与えた映画は、有名な戦争映画「史上最大の作戦」である。「この戦争映画を越える戦争映画はこれからも作られないだろう」と、有名な映画評論家は絶賛している。

 

僕の人生に、大きな影響を与えた映画を紹介します。
 

僕が生まれて初めて見た映画は、「史上最大の作戦」(原題;[The Longest Day]、『最も長い日』)だった。この映画は、小学校4年生の時にテレビで初めて見て、その後、中学生の時にビデオデッキを初めて買って、この映画がテレビで放送されると当然ながら録画した。その後、100回以上もビデオを再生して見た。ビデオ、DVDが発売されるとすぐに買ったのは言うまでもない。何度見ても素晴らしい戦争映画だ

有名な映画評論家の増淵健氏も、
「今までにこの映画を越える戦争映画は作られたことはないし、これからも永遠に作られることはないだろう」
と映画雑誌に評論を書いて絶賛している。

 

写真上は、ロンメル元帥。この映画の原題が[The longest day]なのは、ロンメルが、
[Wenn die Alliierte landen werden, wird das fuer die Alliierte, aber auch fuer die Deutsche, der laengste Tag werden]「連合軍が上陸する日は、連合軍と我が軍にとって最も長い日となるだろう」
と言ったことに由来する。


この映画の前にも「トラ、トラ、トラ!」を見たことがあったが、その時は戦闘シーンを見ただけだった。でも、この映画は始めから通して全部見た。この映画をなぜ見たのかというと、両親に薦められたからだった。両親とも、ポール・アンカが作曲した有名なテーマソングを、口ずさんで教えてくれた。

お袋も、若かった頃に映画館に見に行ったと言っていた。ただし、カッコいいハリウッドスターの軍服姿が見たかったからだろうけど。だが、親父は、大学で現代史を勉強していたので、映画を見た頃にノルマンディ上陸作戦の背景なども詳しく調べたようだった。

僕が軍事マニアになりドイツに強く惹かれたのも、この映画で日本軍と同盟していたドイツ軍を見たからだった。僕が小学生の頃(昭和50年代)は、この映画を見て軍事オタクになる男が多かった。英語とドイツ語ヒヤリングの練習のために、何度も見たという事実もある。だが、軍隊スラングがとても多いので、実は言うと、英語、ドイツ語の教材としてはあまりふさわしくない。(苦笑)


「史上最大の作戦」はシナリオがデタラメな「プライベート・ライアン」とは違って、コーネリアス・ライアンが書いた「最も長い日」という戦記に基づいて、史実に忠実に制作されている。

 

 

この映画が素晴らしいのは、「プライベート・ライアン」のようにデタラメなアメリカマンセーの話とは違い、全てのエピソードが実際にあったことなのである。

一つ例を挙げると、冒頭でドイツのSS将校がフランスのレジスタンスを射殺して、連合軍の機密情報を得るシーンがある。その情報とはフランスの有名な
詩人のヴェルレーヌが作った詩の一節がロンドンの放送局から流されて、その後、24時間以内に第二節が流されると、連合軍の上陸作戦が始まるというものだった。
 
ドイツ軍情報部のマイヤー大佐は第一節と第二節を合わせると、
[Der Seufzer herbstlicher Geige, verwundt mein Herz mit eintoeniger Mattigkeit]
(秋の日のヴィオロンの溜息の、物憂くも単調に我が心を和ませる)
ということを確認し、
「全部隊にこの情報を知らせろ」
と命令する。

だが、西部軍総司令官のルントシュテット元帥はこの情報を疑い、
「その情報はガセネタだ。たしかにノルマンディに連合軍が上陸したが、これは囮の部隊であり、本隊はカレー(英仏海峡が一番狭くなっている所)に上陸するに違いない」
と決めつけ、ノルマンディに全軍を移動することを渋る。他の多くの将軍もこの意見に同調し、ノルマンディのドイツ軍は援軍の来ないまま戦わざるをえなくなり、結局、連合軍の上陸作戦は成功する。

これは全て、実際にあった話である。それに、この映画が作られたのは1962年なので、まだ、多くの元ドイツ軍、連合軍将校、将軍が生きており、彼らはアドバイザーとして体験談を語ってこの映画の制作に参加している。
 
 
この映画のテーマソングの日本語の歌詞

陸の戦いは 辛いものだぜ
後に残るのは 勇者とその栄誉

たとえ死んだとて 誰が弔う
後に伝えゆく 歴史を作るため


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上の写真はロバート・ミッチャムの演ずる、アメリカ軍第29歩兵師団副師団長のコーダ准将。


コーダ准将は米第29歩兵師団の副師団長で、なかなかオマハビーチのドイツ軍防御線を突破できない状況に苛立ち、
「この海岸に残ったのは、二種類の人間だけだ。一つはすでに死んでしまった人間。そして、もう一つはこれから死んでいく人間だ。死ぬ前に銃を取り、敵を一人でも倒せ!」
と訓示して回る。コーダ准将の努力もあって、午後1時半にようやく海岸沿いの要塞線を突破することができた。映画はアメリカ軍がオマハ海岸を占領して、内陸に進撃を始めるところで終わる。

 

CGで作られたアクションシーンばかり見ている今の若い人たちにも、この白黒の不朽の名作戦争映画を是非見てもらいたいと思う。当時はコンピューターのCG技術などはなかったので、全ての戦闘シーンはセットを組んで作られている。