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「移民は毒ガスで殺せ」発言 ドイツ極右政党(AfD)、広報を即時解任

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ドイツの最大野党で極右政党というレッテルを貼られているAfD(ドイツのための選択)の広報官であるクリスチャン・リュートが、「移民は毒ガスで殺せばいい」と述べていたことが明らかになった。

 

ドイツからどんでもないニュースが入ってきた。ドイツの極右政党といわれていて、現在、ドイツの野党で最大勢力を持つAfD(ドイツのための選択)の広報官が、「移民は毒ガスで殺せ」などと発言したので、即刻クビになった。

 

以下ニュースサイトから引用。

 

ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD」は28日、党の広報を長く務めるクリスチャン・リュート(Christian Lueth)氏が、銃や毒ガスによる移民殺害について語ったとの報道を受け、同氏を「即時解任」した。

 

 反イスラム、反移民を掲げる連邦議会最大野党、AfDはAFPの取材に対し、扇動的な発言をしたことが発覚したリュート氏を「即時解任」したと語った。  独ニュースサイト「ツァイト・オンライン(Zeit Online)」は、リュート氏が今年2月、動画共サイト・ユーチューブYouTube)で報道活動を行う右派寄りの記者と会見した際、民間放送局がひそかに撮影していた会話の内容を報じていた。

 

その中でリュート氏は、2015~16年の難民流入で100万人以上の亡命希望者を受け入れたドイツに「さらに多くの移民」がやって来ていることは、AfDにとって政治的利益になるので歓迎すると述べた上で、「受け入れてからでも、彼ら全員を射殺することができる。それは問題ではない」「毒ガスでも何でも好きな方法で殺せ。何でもいい」と発言したとされる。

 

こちらが、YAHOOサイトのニュース記事。今日は9月30日だが、10日間後には消されているかもしれない。

 

news.yahoo.co.jp

 

 

実はいうと、クリスチャン・リュートの祖父のヴォルフガング・リュートはドイツ海軍のUボートのエース艦長であり、31歳で大佐にまで昇進して、騎士鉄十字章ダイヤモンド章を授与された英雄だった。祖父も熱心なナチズムの支持者だったので、それが大きく影響したようだ。

 

日本の左翼政治家、活動家の中には「戦争犯罪に対する戦後の対応は、日本よりもはるかに上手に対応をしているドイツを見習え」などと言っている人がいるようだが、「お手本」となるはずのドイツでこんな暴言を吐く政治家がいるとは!

 

実はいうとこのクリスチャン・リュートという人は、撃墜王のエーリッヒ・ハルトマン、戦車エースのオットー・カリウスのような第二次大戦のナチスドイツ軍の英雄の孫なのである。ヴォルフガング・リュート大佐という、有名なUボートエース艦長が彼のおじいさんなのである。リュート大佐は騎士鉄十字章ダイヤモンド章をヒトラー総統から直々に授与されたという数少ない英雄であり、また確信したナチズム支持者であった。同じようにナチズム支持者でありUボート戦隊司令官だった海軍元帥デーニッツからは、絶対の信頼を得ていた。デーニッツはヒトラーが自殺する際にナチスドイツの次の総統に指名されていて、連合軍との敗戦処理を行った。リュートの葬式ではデーニッツが弔辞を読んでいる。

 

以下、ウィキペディアの説明から引用。

 

1944年1月からゴーテンハーフェン第22潜水隊群司令官に就任した。1944年7月からはフレンスブルクのムルヴィク海軍大学第一学部司令官となる。1944年8月に海軍中佐(Fregattenkapitän)に昇進。1944年9月1日に海軍大佐(Kapitän zur See)となり、ドイツ海軍大学司令官(Kommandeur der Marinekriegsschule )となる。30歳の最年少の海軍大佐であった。デーニッツは彼を大変に重用しており、自分に万が一のことがあった時は彼を海軍総司令官にするよう指名していた。

最期

ドイツ降伏後の1945年5月14日、リュートはドイツ軍の歩哨に誤って撃たれて死亡した。英雄のあっけない最後となった。ナチスによる強制労働から解放された外国人労働者がドイツ軍の基地を襲撃するという噂が流れており、イギリス軍当局はドイツ側に警備を命じ、要所にはリュートの命令で歩哨が立てられていた。リュートはすべての歩哨に対し、定められていた合言葉に返答せず近寄る者には発砲するよう命じていた。リュートを射殺した兵士は、近寄る人影に対して合言葉で誰何したが返答が無いため警告射撃したところ、偶然リュートの頭部に命中したと証言しており、自殺だった可能性もある。アーデルビューで行われた葬儀ではカール・デーニッツ大統領が弔辞を読み、ナチス・ドイツで行われた最後の国葬となった。

 

ja.wikipedia.org

 

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写真はヴォルフガング・リュート。31歳で海軍大佐にまで昇進したという異例の早さで出世をしており、ナチス党とナチズムの支持者だった。コーエーの「提督の決断4」というゲームにもドイツ海軍司令官の1人として登場する。しかし、ナチズムの支持者であったので、ナチスドイツが降伏した後に自殺同然の死亡をしたということは、映画「Uボート」に登場する艦長などとはかなり違う人物だったようだ。

 

 

クリスチャン・リュートは第二次大戦のナチスドイツ軍の英雄であった祖父を尊敬しているので、「私はファシストである」とプライベートな会話では述べていたという。

 

 

孫のクリスチャン・リュートはヴォルフガング・リュートの孫であったことを誇りとしていたたようで、シュツットガルト大学で経済学を学び、ベルリン自由大学で政治学を学んでからAfD(ドイツのための選択)で働くようになったが、知人とのプライベートな会話では「私はファシストだ」と言っていたという。

 

クリスチャン・リュートがこのようなことを発言したのが明るみになったというのは、ナチズム賞賛、移民排斥に対しては厳しい罰則があるドイツでは極めて稀なケースであり、彼のドイツでの政治家としての人生は終わったとも言える。私もAfD(ドイツのための選択)は日本でいうと自民党右派と同じくらいの政党と捉えていたが、こんな発言を広報がするとは、自民党よりもかなり右寄りの政党と認識を改めないといけない。

 

この件は小学校教諭の免許を持つ男が「幼児フェチ」であることを隠して、公立小学校の教師になって数年勤務していたが、つい本音を言ってしまったというくらいに危険なことだと思う。

 

こちらが、問題発言をしたクリスチャン・リュートのウィキペディアのドイツ語の説明。今年の4月にも「私はおじいさんを尊敬しているので、ファシストである」という発言をして、党の中で問題になったらしい。しかし、ちょっと弁護できるとすれば、「おじさんを尊敬している」という家族と祖先を気遣う発言すら問題視されるのが、敗戦国ドイツと日本の辛い問題でもあるといえる。

 

de.wikipedia.org