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コロナウイルス対策でなぜドイツは優等生なのか?

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ドイツはなぜ早くからコロナウィルス対策の準備ができていたか?8年前から未知のウィルスによる死者を想定していたから

 

今はコロナウイルスの流行で世界中がパニックだが、世界各国のコロナ対策ではドイツが突出して優等生である。イタリア、スペイン、フランスなどが4月と5月は主要都市をロックダウンする必要があったが、ドイツはそれをする必要がなくて医療崩壊になることもなかった。その理由をドイツに1年ほど滞在して、ドイツ人の友達がいて、ドイツの現代史に詳しい自分が分析してみようと思う。

 

 ドイツでコロナウイルスによる死者が少ない理由などについては、ウイキペディアの説明を引用する。

ドイツにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況

 

ドイツ政府の対応[編集]

2020年3月15日、ドイツ政府は、隣接するフランスルクセンブルクスイスオーストリアデンマークの5カ国との国境で16日8時から国境検問を実施すると発表した[125]

3月23日、ドイツ政府はイタリア・ロンバルディア州の患者を国内の病院で受け入れると表明したため、最初の患者6人がザクセン州に到着[126]

死亡率[編集]

死亡率が低い理由は、3月初めの時点で、人工呼吸器付きの集中治療室(ICU)が2万5000床あった、当初から1日5~6万件のPCR検査を行う態勢を持っていた、ドイツ連邦政府とウイルス学者たちが、未知のコロナウイルスにより多数の死者が出る事態を8年前にすでに想定していた[127]

 

ドイツにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況 - Wikipedia

 


ドイツがこれだけ死者数が少なくて回復率が高いのは、ドイツは中国でコロナウイルスが発症した時に、既に1月の末から準備をしていたからだとドイツからの報道でわかっている。1月末というとまだ中国国内では多数の患者がいたが、それ以外の国々では「コロナは中国国内だけの問題だから、世界中に広まることはないだろう」とのんびりした態度であり、中国政府に頭が上がらないWHOのテドロス議長も状況を楽観視していた頃である。

その時からドイツでは多くの医者が、「コロナウイルスは全世界にあっという間に広まり多くの死者が出る」と危機感を持って見ており、ドイツの病院ではコロナがドイツで流行する時に備えて多くのベッドを空けるように準備を進めていた。それで、それから約1か月後の3月初旬には、ドイツの多くの医者が予測していたようにコロナはドイツでも大流行となり、サッカーのブンデスリーガは中断となって、ドイツ国内の多くの博物館などの観光名所も閉鎖となった。だが、ドイツの場合はイタリア北部での大流行でパニックになった時とは違い、準備をしていたところへ予測したように大量のコロナ患者が発症したので、北イタリアのような医療崩壊のパニックは見られなかった。

アメリカの場合も中国でのコロナ発生かかなりの時間はあったのだが、やはり超大国であることと、アメリカは完全な自由主義な国で元々医療制度、特に国がカバーする医療保険制度がかなりいい加減な国なので、ベッドが足りない、医者が足りない、病院が足りないなどの諸問題が起こって、世界ワーストの被害国となってしまった。一方ドイツの場合はしっかりと高い税金を「揺りかごから墓場まで」という医療制度の充実に充ててきたので、医療制度がかなりしっかりとしており、その状態が今でも続いている。それに、大学の医学部で学んだ人ならわかると思うが、医学生は第2外国語はドイツ語の勉強が義務づけられている。これは20年ほど前までは日本の多くの医学専門用語はドイツ語であり、カルテ[Karte]というのはドイツ語であり、ドイツ語では一般的には「カード」の意味である。サッカー用語のイエローカードというのは、ドイツ語では[Gelbe Karte](ゲルべ カルテ)という。明治時代には日本政府は多くの医学生を医学先進国であるドイツに派遣しており、森鴎外がベルリンのフンボルト大学医学部で、コッホ博士の指導で伝染病と細菌の研究をしたのは有名な話である。

 

ドイツがコロナウィルス対策に比較的に成功しているのは、ナチスドイツ時代の負の遺産かもしれない


さらに、ここからちょっと危ない話になるかもしれないが、ドイツは第一次世界大戦、第二次世界大戦共に敗戦国となったヨーロッパの問題児ではあるが、そこから多くの危機管理を学んでいたという理由もある。また、第二次世界大戦後もドイツは資本主義の西ドイツと共産主義の東ドイツに1990年の再統一まで分断されており、ここでも戦争に備えて危機管理がずっと行われてきたのである。戦後70年以上も「平和ボケ」である日本とはえらく違っている。

僕のマイミクにはドイツ軍マニアが多いが、ドイツ人というと「勤勉」「規律正しい」「命令を守る」というイメージがあるが、やはり、今のドイツ人の医療関係者が第一次世界大戦、第二次世界大戦の時のドイツ軍人のようにコロナに対処できているのも、比較的にドイツのコロナでの死者数が少ない理由である。

第二次世界大戦で1940年5月10日から始まった西方電撃戦では、フランス、オランダ、ベルギーをたったの1カ月半で降伏させた。この時にヒトラーが率いるドイツ軍がオランダとベルギーに対しては宣戦布告なしに攻撃を始めたという違法行為を差し引いたとしても、ドイツ軍があっという間に制空権を奪取して、電撃戦で西方電撃戦を終了させた勤勉さと秩序の良さというのは、やはり、今のコロナ対策に相通ずる優秀さと正確さを連想させるものがある。しかも、その当時のドイツ軍戦車の多くは実はいうと、一部の短砲身75ミリ砲装備のⅣ号戦車を除くと、イギリス軍のマチルダ、フランス軍のソミュアS35戦車よりも性能は劣っていたのである。

これは、この後に行われた北アフリカでのロンメル将軍が率いたドイツアフリカ軍団、1941年6月22日から始まったバルバロッサ作戦にも当てはまることで、僕のマイミクのドイツ軍マニアなら、別に長文を書いて説明しなくてもドイツ軍人の統率の取れた攻撃、命令を守る忠実な戦いはよくわかるだろう。東部戦線では北は北海から南は黒海に渡る広範囲な戦線で、ドイツ軍はよく戦った。その時に手に入れた教訓が今のドイツ政府のコロナ対策に活かされていると思うのは、ドイツ軍マニアなら当たり前のことだろう。

これは別にドイツ軍マニアである僕の勝手な妄想ではなくて、他のヨーロッパ人たちも「ドイツ人ほど勤勉で命令を守って秩序正しい国民はいない」と言っている。ドイツ軍以外でヨーロッパ全土を席捲したのは、近代史ではナポレオンが率いたフランスの大陸軍ぐらいだが、あの時はまだ中世の名残があり、ナポレオン皇帝という一人のカリスマ的指導者の下で、フランス軍はイギリスとロシア以外のヨーロッパ全土を征服するという偉業を達成できた。一方でドイツ軍はヒトラーとナチス党という異常で狂気じみた人種差別概念を持った指導者と政党の下であっても、イギリス本土を空軍が空襲して、陸軍はもう少しでソ連の首都モスクワを占領する寸前まで進出した。これは、ドイツ人が命令に忠実で優秀な民族だからとしか言いようがない。

 

 

コロナ対策に大失敗しているイタリア人とコロナ対策に比較的成功しているドイツ人。その差とは?


コロナ対策に成功しているドイツと、大失敗になっているイタリア人の違いを表す例としてこんな話がある。イタリアのローマ駅で日本人旅行客が駅員に、
「ミラノ行きの特急電車は何時に何番ホームから出発しますか?」
と質問した。すると駅員は、
「ミラノ行きの電車は時間通りに出発したことはあまりない。また、ホームも1番線から出る時もあるし、10番線から出る時もある。その時に空いてるホームから出るから、乗る特急電車が出発する前の構内放送をよく聞くように」
と言ったという。

ドイツの場合はほぼ時間通りに特急電車の運行を心がけているが、外国発の長距離国際列車が遅れるとドイツ国内の電車のダイヤもそれに合わせて乱れることになるという。実際に僕のドイツ人友達もドイツ国内でのDB(ドイツ鉄道)の列者の遅れについて、
「DBは日本のJRのような時間どおりの運行を心がけているのだが、ドイツはヨーロッパ大陸の真ん中にある国だから、多くの外国からの長距離国際列車が走っている。それで、それらの長距離列車が遅れるとドイツ国内の列車も遅れることになるんだ」
と説明してくれた。また、2005年6月にドイツ人友達の家に行った時には、「DBは定刻通りの列車の運行が守れなかったので、数人のDB幹部の更迭と給与カットという罰則を行った」と新聞に書いてあった。ドイツでも列車の定刻通りの運行は守られてないが、少なくともイタリアとは違って、利用者からの苦情を受けてDB幹部を厳しく罰するということは行っている。

以上、今のドイツ政府がコロナウイルスの流行に上手に対処をしていることと、世界大戦でのドイツ軍人の戦いぶり、劣勢でも武器弾薬を大量生産した勤勉さを絡めるのは少し無理があるかもしれないが、やはりドイツ軍マニア、ドイツ現代史に詳しい者としてはドイツ人の勤勉で命令を忠実に守る国民性を連想してしまう。

 

 

写真上はドイツのメルケル首相で、既に2022年まで首相を続けることが決まってる。16年間という日本では考えられないような長期政権である。写真下はベルリン中心部にあるドイツの国会議事堂。上の丸い部分の屋根に登ることが出来て、観光コースとして人気がある。しかし、ナチスドイツ時代、東西分裂時代は放置されて使用されなかったりなど、ドイツの悲しい歴史の象徴でもある。

 

 

最後に、僕のブログを訪れてくれてありがとうございます。この記事のようにドイツ人と交流した話、ドイツに滞在した時の体験談以外にも、ドイツで10試合ほどブンデスリーガの試合を観戦していて、ドイツサッカーが好きな方に対して色々と興味深いブログ記事を書いているので、他の記事も読んでみてください。コメントを書いてもらえると嬉しいです。ドイツ語の勉強の方法、ナチスドイツ軍に関する記事も書いてますし、これからもそういう記事を書いていきます。

 

 

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